防災に力を入れたいと思った訳
私が議員になろうと決めたとき、一番力を入れたいと思ったのは防災でした。
2011年に起きた3.11。この時私は消防分団にいました。その時、綾瀬市の防災力の弱さを感じたからです。大きな揺れ、停電が起きたときなど、分団は消防本署からの指示を受け行動をとらなければならないのですが、(当時は)それがまったくできていませんでした。
まず電話回線がパンクして消防本署に連絡がつかなかったのです。市役所にもつながりませんでした。現在ではMCA無線の導入を実現し、解決されています。
避難所開設機能の決まりも周知されておらず、公助の部分がまったくと言っていいほどできていませんでした。現在では避難訓練の度に図上訓練を通して、スムーズな避難所開設が可能になったと思います。
行政として防災に力をいれないと、いざというときに街が守れない。そう思った私は市議の時、多くの防災対策に力を入れ、さまざまな設備の導入を実現しました。
災害時仮設風呂について
そして次に、仮に長期の避難を余儀なくされた場合の市民の心身のケアが私の中の課題になりました。その解決策の一つが「仮設風呂」です。
綾瀬市は2019年、全国市町村でも珍しい災害時用仮設風呂の導入を実現しました。
被災者の健康維持と衛生管理を図るため、男性用と女性用で1基ずつ導入。
浴槽は直径2・4メートルの円形で、深さ約60センチ。井戸水を活用することを想定しており、災害時には避難場所で、シャワースタンド6台を設置し、風呂場と脱衣所をテントで覆うことを想定しています。
この仮設風呂は私が議員時代に、市民に寄り添った避難体制のために一番導入に注力したことです。消防団時代や、2011年の3.11、そしてさまざまな被災地域に視察にいったとき、被災者の衛生問題を感じる場面が多々ありました。
災害時では、様々な場面で水が必要となります。水はまず飲料水として最優先に回されていきます。しかし、綾瀬市には飲み水には適しませんが、お風呂の水として使える井戸水が豊富にありますので安心です。
入浴には衛生を保つことにも重要ですが、精神的安心を与える役割もあります。しかし、入浴するには相応の設備が必要となってきます。家が倒壊してしまったり、断水されてしまっていたら家で安心して入ることはできません。そのため重要になるのが、行政が用意する仮設風呂です。仮設風呂はいざというときの、綾瀬市民の安全・健康への一助となります。